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「物質」と「精神」? nbsakurai (202.234.138.210.bf.2iij.net) 2006/07/23(日) 07:05:18
・ Kina さんの 『科学的世界観は決定論か? その2』
・ nbsakuraiの 『科学的世界観は決定論か? その2』に対する私見
・ Kina さんの 『科学的世界観は決定論か? その2』のこと

 既に『nbの帰結は「人間機械論」?』で、「人間機械論」が「科学的世界観の帰結」であると私が考えているわけではない、ということを述べさせていただきました。それから、『実感はそんなに信頼できる?』で、ヒトの素朴直感、実感というものについて、私の考え述べさせていただきました。
 ここでは、「物質と精神」という発想、問題のとらえ方について、私の考えを述べてみたいと思います。

 まず、例によって、Kina さんのこの点についてのご発言を、私なりに整理してみることにします。でもこれは、私があちこち勝手な部分を好きなように切り貼りして加工したもので、Kina さんのお考えを正しく反映したものであるかどうか、前にも増して怪しいものです。不本意なところは、遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。

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● 「物質」と「精神」、「意識活動」、「意思」というもの

 広辞苑によれば、いくつかの定義のうち、「知性的・理性的な、能動的・目的意識的な心の働き」という定義があり、これが私の言う「精神」に最も近いかなと思います。
 物質の定義として、「意識とは独立に存在し、我々の感覚の源泉であり、感覚を通じて意識に反映される、客観的存在」というものがあります。私もこのような意味で使っております。

 この定義に従えば「電荷、エネルギー、光、色、振動、波、質量」は明らかに「物質」でしょう。「情報、プログラム、信号、記憶、演算、制御」が「物質」かどうかは、多少難しくなります。しかし、これらに意味づけを与えているのは人間の「精神」であり、これらは、「物質」か「精神」かというよりも、物質に与えた機能でしょう。現時点の「人工知能」というものも同じようなものだと思います。動物の「知能、本能」になると、進化のレベルに応じて「精神」に近づいていくものだと思います。

 それぞれの定義を、逐一ご説明するまでもなく、文脈から明らかではないかと思います。言葉の定義はどこまで遡ってもつきるものではありません。
 一応ご説明させていただきますが、「意識活動」というのは、脳の心的活動としての側面の表現だと思います。「精神」は先の定義のとおりですが、「物質」に対する対立概念です。「意思」は決断をし選択した行為を実行する、精神における能動的な側面を表すものだと思います。

● 「精神」等の発生メカニズム

 「精神」というものは「物質」から生じているものであり、したがって一種の「物質現象である」というのは、おっしゃるとおりです。

 精神が、脳という肉体すなわち物質により影響を受け、密接に関係しているということは、精神は物質によって生じていることの証拠ということができます。

 私たち生命体は、外部との物質代謝を行いつつ、半ば閉じたシステムを形成しております。閉じたシステムにおいては、原因も結果という因果関係も閉じていることになります。

 自然法則に従いつつ主体性を有する物質の原始的な主体性が、因果関係が半ば閉じたシステムである生命体、特にその脳において高度に組織化されることにより人間の意識活動が営まれています。

 すなわち、物質の進化は、生命の誕生から更なる発展をとげ、自ら世界を意識しつつ、主体的に働きかけるようになってきたということが言いたいのです。

● 「物質」と「精神」との相互作用

 精神が物質により生じるのであればなぜ、精神が物質に反作用することがあり得ないのでしょう。作用があれば反作用があるのは、初歩的な自然法則です。精神が、物質により影響を受けるということは、反作用として、物質は精神の影響を受ける証拠ということができるのではないでしょうか。

 彼らも精神が、脳という肉体すなわち物質により、生じていることは認めているようです。物質により生じるのであればなぜ、物質に反作用することがあり得ないのでしょう。

 そもそも物質と精神とを相互作用しないのものと考えたり、一方向のみの作用として考えたりするのは、疑問です。むしろ精神の主体性は物質の特性の発現ととらえるべきではないでしょうか。

 物理現象の結果である意識現象が、組織化された主体性により、物理現象に働きかける原因となることは充分にあり得ることだと思います。

 人間は、肉体と精神を持っており、肉体は物質からなっています。精神が物質を動かすことができないものならば、人間の身体を意思により動かすことができるはずがないことになります。

 「精神は物質に働きかける」というのは、通常の目的意識的に行動することを言っていると、お考えいただいて結構です。

 主観的な意識の存在により、主体的に「物理現象」に働きかけることになっているのであるということです。

 私たちが意志に基づいて行動できるように、意識現象から物理的化学的現象への働きかけは、現に存在し、これらは、相互に作用しあうものです。

● 「物質」と「主体性」

 主体性を持たない物質という概念は、力学の質点などと同様に、当面理解しやすいように作られた架空のモデルではないかと思います。科学においては、当面の研究の対象となる側面以外を捨象して、研究を進める研究手法とられることから、そこでは常に物質のもつ原始的主体性は、問題になることはなく、無視されてきたのであり、その結果、科学における物質観が「主体性を持たない物質」となったのではないかと思います。

 物質が主体性を持っていることは、次の2点からも明らかではないでしょうか。(1) 人間の意識活動が脳の物理化学的変化により、大きく影響されることから、人間の精神すなわち意識活動は、脳という物質によって営まれていること、そして、(2) 脳という物質によって営まれている人間の精神が、主体性を有すること、の2点です。

 物質の主体性は、素粒子から、化合物、単細胞生物、そして人間に至るまでの無限の階層をなしています。人間の脳のような高度に組織化された主体性から見れば、素粒子の有する原始的な主体性などというものは、ほとんどないも同然ですが、ゼロではないはずです。

 無生物においても、地球内部の活動、星の誕生や消滅など、宇宙は、物質のみの主体性によりダイナミックな活動をしておりますし、原子や分子も静止しているものはありません。

 これらは、単に自然法則にしたがって運動しているだけと、とらえるよりも、物質本来の主体性ととらえた方が良いように思われます。

 物質が多様な形で運動をしていることは、それが物質本来のあり方であることを示しています。物質が、単に自然法則にしたがって運動しているだけであるならば、宇宙を客観的世界は、もっとシンプルなものであってもよいのではないでしょうか。

 もちろん、これらの運動には人間の精神の主体性のようなものとは全く異なるものであることは言うまでもありません。それは人間の脳のような、物質の主体性を精神として組織化するメカニズムとは異なるものです。

 物質と主体性切り離したとらえ方は、人間が物質からなることを最初から否定するものということができます。

 「主体性を持った物質」とは、「原理的に自然法則に従わない超越したもの」ではありません。「我々の厳密に認識していない機能」すなわち「未知のプラスαを備えた物質」のことです。

 「未知のプラスα」は、自然法則に従わないものであるとは言っておりません。それは、精神の能動性や主体性を構成するもととなるものであり、物質が単なる受身的な存在でないという特質をなすものです。

 現在の物質に関する知識は、物質を知り尽くして、最早何も残された未知のものはないのでしょうか。私が主張しているのは、人類の現在の物質に関する知識は、まだまだ遥かなる発展途上にあるのであって、生命の誕生のメカニズム、精神の主体性のメカニズムも、物質の未知の部分により、いずれは科学的に説明しえるものであるとということです

 「物質の主体性」とよぶか、「未知のプラスα」とよぶかは、重要ではありません。

● 自然法則との関係

 精神が物質に働きかけることはあり得ないと言う人々がいます。彼らは精神が物質の運動の原因になることが、あたかも自然法則に反する現象であるかのように考えているようです。

 現実に、手を挙げようと思えば手が挙がるように、精神が物質の運動の原因になっているという、日常に見ていることを、あたかも自然法則に反する現象であるかのようにとらえることは、そのスタートにおいて誤っているように思われます。

「主体性を持った物質」とは、「原理的に自然法則に従わない超越したもの」ではありません。

 精神が自然法則に従うものであることは、すでに申上げたとおりです。


● 「精神」と「物質」という発想の妥当性

 「精神」はそこで何をするのか、「精神」という概念がそこでなぜ必要とされるのか、「精神」とは何を意味するものなのか、に対するお答えとしては、「精神」とは、人間そのものであり、私そのものであり、だからこそ、「精神」と言う概念を「物質」とは別に必要とするのでしょう。

 心身二元論の問題は、デカルトの以前の時代からの難問です。これに対する一定の回答を与えることは、哲学の任務として省くことはできないと思います。

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